「あなた」が何もしないとき未知がひらく

トリックスター

NO.554

あなたの周りにも居るかもしれない

ちょっと「危なっかしい感じのする人」が

その人から出る「あまり思慮のないような言動」

その性急すぎる動き

「いずれ何か問題を起こすかもしれない」

このように思えてしまう人が居るかもしれない

あなたからしたら

「ちょっと分かっていないような人」に観えている

あなたの周りには居ないタイプの人間だ

だから、余計に「危なっかしく」観えている

彼には「その場かぎりの言動を採ること」が多々あるからだ

だが、基本、彼は「善いやつ」だ

「あ~俺が悪かった」とちゃんと反省をする

そこに嘘はない

だが、いかんせん「溜め」が少なすぎるのだ

だから、そう成った

「彼がやってしまったこと」で

迷惑が掛かった人がいる

その人からしたら最悪の事態である

その周りの人たちにも迷惑がかかっているからだ

よって、「そのことに気付いたから」なのか

「またその人と仲良しに戻りたいから」なのか

彼は、誠心誠意そこに出向いて謝りに行った

いつもはラフな服装だが

服装を整えてまでして謝りに行った

元々、この二人は仲のよい友達だ

だが、その人は許さなかった

それくらいのことを、彼はやったのだ

あなたも「そりゃそうだ」と思っていた

確かに「彼の言い分」もあった

だが、なぜ「やらないで」と言っていることを

彼は「やった」のか

  

さて、ここからだ

“霊的” に観れば

「善い悪い」という問題は別として

“事実として、それがそこに起こった” のである

どんなときも “正解” とは、“ここにあるもの” だ

だから、“霊的” に観れば

それが “正解” なのである

事実は、“それ” しかないからだ

  

ひとつ言えることは

これから先に、この二人と、そこと関係した人たちの「それぞれの世界」に

「 “新たな動き” が起こってくる」ということである

そもそも、この二人は「お互いの為に離れた方がよかった」のかもしれないし

また、一時的に今回のことが「悪いこと」に思えたとしても

それぞれの世界に、新たな「良い動き」を生じさせてくる可能性があるかもしれない

それはまだ判らない

「人間万事塞翁が馬」である

  

さて、次の日、彼は落ち込んだ様子で

あなたに電話をかけてきた

そして、「今回の件」とは違った話になったときに

何気なく「彼が放った言葉」にあなたは驚いた

え~っ!、そんな考え方もあるのか、と思ってしまった

ほぼ一般人なら「相手に負担がかかってしまう」から「遠慮しておこう」と考えるようなことを

彼はあえて言っていた

その理由は「それをやって欲しいからだ」と言った

「やってもらうことが喜びだ」と言った

あなたに「この価値観」は無かった

その彼の言葉は「構ってほしいから」で

「そういうつもりで言っているのだ」と言っていた

それは、あなたが初めて知った感覚だった

このときに「今まであなたが思い込んでいた世界」が広がった

と同時に “解放” されたのを感じた

彼は「そんな世界」に住んでいたのか!

そして、今度は、こちらにも「そのこと」が飛んできた

「よし、ならばそれを俺がやる」とあなたは言っていた

それは “あなたの心が解放されたがゆえ” に出た言葉だった

“エウレカ” が起きたのだ

あなたは今までの「彼の踏み込み過ぎている言動が何故だったのか」が解ったのだ

「構って欲しいから」だったのだ

これは、たぶん一般の人たちが持ち合わせていない「価値観」のはずだ

なぜなら、家族も関係してくる場合で

さらに、相手に負担をかけてしまう場合は

「相手に言わない」か

または、相手との「距離感を考えて言葉を選びながら伝える」はずだからだ

あなたは、それが「共通の一般人のモラル」だと思っていた

だが、彼の「その一言」が

「そのモラル」をことごとく破壊したのである

あなたは「こんな考え方もあるのだ」と初めて思い知らされた

あなたは「あなたの視野が狭かったこと」を思い知らされた

そうして、気が付いたのだ

“彼は「トリックスター」なのかもしれない”

今までの「彼の言動」を振り返ってみると

そう思えたのだ

彼のような者が動くことで

「何か」を巻き起こす

それが「良いこと」につれ

「悪いこと」につれ

「何か」を巻き起こす

そのおかげで

そこに “新しい動き” が生み出されていくのだ

今まで彼のことを

「短兵急すぎるのではないか?」と思ったりしていたが

“そのような人” が居るおかげで

“「この世界」に動きが出る” のである

それを、あなたは思い知らされた

そう、“トリックスター” とは

一般人から見て “分かっていない人” なのである

いや、“分からない人” なのである

ちょっと “危なっかしく思える人” なのである

それが、“トリックスターの証” だったのだ

“このような人” があなたの周りにも居るかもしれない

  

だが、もし、その人が「好き勝手にする人」で

ちゃんと反省するような人ではなく

周りにも迷惑を掛けており

あなたにとっても「迷惑な人」ならば

これは「悪意を持ったサイコパス気質な人」も居るから非常に難しいことだが

この場合は「その人の知性が足りてないから」起こっているのだが

もし、その人を、あなたが “トリックスターだったのだ” と観れるように成れたとすれば

心からそう思えて、“気にならなく成れた” のだとしたら

あなたは、今後「どのような迷惑な人」が現れようが

「そのような人」から “開放されている” だろう