「あなた」が何もしないとき未知がひらく

人間の世界

NO.442

人間は素晴らしい

ああ素晴らしい

いろんな感情が味わえる

「他人の感情」も味わえる

自分のこととして味わえる

そんな素晴らしい世界

それが「この世界」なのだ

なぜに「あの子の気持ち」がわかるのか

わたしは「それ」を体験していない

なのに、その気持ちがわかるのだ

「なぜ、私だけがこうなの?」

その切ない気持ち

そのやるせない、どこにも持っていきようのない喪失感がわかるのだ

その気持ちはあの子とは同じでないかもしれない

だが、そのやるせない気持ちがわかるのだ

このようなことは人間だから出来るのだ

みんながこの世界に居るのが少し解った気がした

この素晴らしい「人間の世界」

これを「苦」と呼ぶのだろうか

この「苦」が無ければ

それは味わえなかった

あの子がそれを選んだのだ

あの子がそれを選んだからこそ

「その感情」が味わえたのだ

そして、あの子がそれを味わったことで

わたしもそれが味わえたのだ

これは逆も然りだから

わたしが「ある感情」を味わったからこそ

みんながそれを味わえるのだ

ここはみんなの世界だ

みんなが居るからこそ

「この世界」があるのだ

みんなで共有している「感情の世界」

それが「この世界」だ

これが「人間の世界」なのである