NO.112
「色即是空」
この言葉の意味を「物理的」に捉えてみると
物質というのは、核の周りにエネルギーが回転運動していて
その “波動” が「物質」に見えている
よって、それらは “波動” であって「実態は無い」
だから、「色=現象」というのは「空」である
ということになるのだが
この「物理的解釈」だけなら
この2つが並んでいることの整合性がとれていない
なぜに、この2つが並んでいるのだろうか?
「色即是空」「空即是色」
一見この2つを見ると、同じことを繰り返しているだけのように思えるが
これらは「全く違った状態」を表しているのである
ここでは「色=現象の方」に、主体を置くのではなく
“色を観ている方” を、主体にして捉えてみることにする
すると、これらは「観察次元の違い」を言っていることになるのである
まず1つめの「色即是空」
これは、「色」には実体がなく、それは「空」である というものである
「目の前のペン」はペンに見えているが
「それはペンでは無く波動だ」ということである
また、あなたが「このペンは良いペンだ」と見ていても
別の人から見たら「とんでもないペン」に見えている可能性がある
このような「見え方の違い」も「色」であり
「良いペンも、とんでもないペンも無いのだ」ということである
こちらには、この「2つの意味」が含まれているのである
そして、2つ目の “空即是色”
これは “空” が即、「色=現象」なのだ ということである
ここでいう “空” とは、“空のあなた” のことであり
“空のあなたが、即、現象なのだ” ということである
だが、“空のあなた” で在るとき、そこは “空” なので
そこには “観られているもの=現象だけ” が在るのである
つまり、“空のあなたが、世界そのもの” に成っているのである
この状態を表したものが、“空即是色” である
このように、この2つは「違った観察次元」を表したものである
● 色即是空は、「人間」の次元を表したもの
● 空即是色は、“空=観ているもの” の次元を表したものである