NO.545
釈迦に「真理を教えてください」と尋ねた弟子たち
このとき、釈迦は一本の花をひねって
自らの前に突き出した
その様子を見たほとんどの者たちは
そのままスルーしたが
弟子の迦葉 (かしょう)だけが
それを観て微笑んだ
そう、このとき彼は “それ” しかないことに気付いたのである
こんな簡単なことだったのか、と彼は思ったことだろう
だから、思わず “微笑み” が出てしまった
これが第一ステップ
そして、ここからさらに進んでいく
もし、あなたも、この迦葉 (かしょう)と同じように
“目の前の世界を観て、思わず微笑みが湧き上がってきた” なら
それと同時に、“目の前の世界はわたしだったのだ” ということも
看破しているだろう
つまり、あのときの迦葉 (かしょう)は
目の前の釈迦らしきものが “わたしだけの世界に起きたもの”
“わたしだったのだ、ということを事実として観た” のである
だから、思わず微笑みが出てしまった
これこそが、“それを知った者の微笑み” である
つまり、“拈華微笑” が真に表していることは
この “看破したときに起きる、微笑み” のことなのである