「あなた」が何もしないとき未知がひらく

映画「チワワちゃん」

NO.413

この映画を今風に言えば「エモい」となるのだろう

この映画は、自らに価値を見出せないがゆえに

ひたすら外に向かって「何か」を追い求めていた

「あの一時代」の想い出である

そう、この映画は「その時代の想い出」なのである

幻ばかりを追いかけていた「あの一時代の想い出」だ

だが、それだけに美しかったのだ

「その時代」を真剣に生きていたからだ

そして何よりも楽しかった

空っぽだったとしても・・・

だが「その時代」は、いつの間にかバラバラになって消えていく・・・

「チワワちゃん」とは、その象徴なのである

ここに核心を突いたセリフがある

  “「ゴールドラッシュみたいだったよね」”

  “「こんな最高な時間が続くなら、怖いものは何も無いって思えた」”

  “「何だったんだろうなぁ、あの時間」”

  “「ふり返るなら、私たちの青春の自爆テロだった」”

これらのセリフを聞いて “グッとくる”「一時代」を過ごした人がいるのではないか?

そのような人がこの映画を観ると

何とも言えないノスタルジーで溢れかえるはずだ

「エンドロールの最後まで」がこの映画である

もう、二度と戻ることはない「楽しかったあの一時代」を

思い出させてくれる映画である