NO.29
「悔しい」という気持ちが現れるのは、物事を真剣にやった証である
真剣にやらなかった者は、絶対にそうはならない
さて、「悔しい」ということが起きるのは「初期の段階」だ
あなたが真剣に物事に取り組んだ証として起きてくるのが「悔しい」だ
その「悔しさ」ゆえに、あなたはさらに努力を積み重ねていくことになるが
その過程でどうしても突破出来ない「根本的な原因がこの世界にあること」を
あなたは知ってしまうのである
つまり、この世界が「自分の力ではどうすることも出来ない状態に成っていること」に気付くのだ
このとき、あなたは「絶望」を観る
だが、その「絶望」ですらも
あなたがどうにか突破しようと試みるとき
あなたは戦士に成るのだ
このとき、そこに「怒り」が帯びてくる
そう、次は「怒り」なのである
これは自己憐憫からくる「怒り」である
「自らの限界」を知ってしまうことで世界が敵に成ってしまうのだ
だがそれとて、あなたにはどうすることも出来ない
あなたは、今までさんざんやってきたが思うようには成らなかった
つまりは、あなたには「この世界の仕組み」を突破する力など無かったのだ
ここから、あなたは全くやる気が起きなくなる
「この世界」のバカらしさに無気力状態になる
そして「不平不満」のオンパレードだ
周りの者たちを見れば「『この世界の仕組み』がどう成っているか」などまるでお構いなしだ
このことを誰かに話してみても、その理解すら起きてこないご様子だ
一体どうなっているのだ
みんなこれで、ほんとうに大丈夫なのか?
「こんな世界」に暮らしていて、なんとも思わないのか?
あなたの言う言葉など、みんなスル―していく
周りの者たちはみんな「この世界のシステムに同化してしまっている」のだ
あなたには「その様子」が観てとれる
そして、とうとうあなたは「この世界の中で独りぼっち」に成ってしまうのだ
もう、あなたに残された道はたった一つ
「この世界から脱出することだけ」に成ってしまうのである
だが、その後も「あなたを取り巻く状況」はますます悪化していく
どんどん悪化していくその中で、あなたには「もう打つ手だて」が無い
もう、どこにも「逃げる場所」も無い
暴風が吹きすさぶその中で、為す術の無いあなたは次第に「恐怖」していくことになる
そう、最後は「恐怖」なのである
えっ、なになに?、、恐怖を克服するだって?
バカなことを言ってはいけない
「あなた」には「恐怖」を克服することなんか出来ない
どんなにあなたが逃げても「恐怖」はそこにある
どんなにあなたが泣きついても「恐怖」はその手をゆるめない
「恐怖」はあなたが克服するものではないのだ
あなたが「恐怖」に震えながらも
強制的に「まな板の上の鯉」状態に成らされたとき
「思考と感情」が大暴れしているその中で
「あなたが固定されたまま動けなく成ってしまった」とき
このときに、あなたに何が起きるのか?
「あなた」が落ちるのだ
つまり「自我」が落ちる
このとき「あれれ? 何も起きてないじゃないか」と成る
だが、そこには “何か” が残っている
これが、“本当のあなた” だ
このとき初めて、あなたは “本当のあなた” を知るのである
と同時に「恐怖」が無くなっている
なぜなら、落ちた「あなた」が「恐怖」の本体だったからである