NO.22
あなたは、ある「身近な人」に「何らかのイメージ」を持っている
このとき、あなたは「この身近な人 “そのもの” 」を見れていない
あなたは「あなたが持っている『この人のイメージ』」を見ているのだ
また「身近な人」も、あなたに「何らかのイメージ」を持っている
このとき、この人もまた「あなた “そのもの” 」を見れていない
この人も「この人が持っている『あなたのイメージ』」を見ているのだ
このような2人が街で出会って、いつものように会話を楽しんでいるとする
だが、そこにあるのは、お互いが「イメージ越しに接している姿」である
そこに “ダイレクトな接触” は何も起こっていないのである
「イメージ」 対 「イメージ」
「イメージ同士で接している」だけなのである
これが、この世界での「関係性」といわれるものである
これは「物」に対してもそうである
我々は、普段「物」ですら
“そのもの” を見れていないのである
あなたは「あなたが持っている『物のイメージ』」を見ているのである
「これはテレビのリモコンだ」と言った時点で
それはもう「イメージ」だ
そこに在るのは「テレビのリモコン」でもなく
「プラスチック」でもなく
“物体” なのである
このように、いつも当たり前に「見ている」と思っていた物が
実は「イメージを見ていた」のである
あなたは「あなたの思考」を見ていたのだ
よって、この間に挟まっている「イメージ」を外すことで
初めて “ダイレクトな接触” が、そこに生まれてくるのである
こう成ってこそ初めて、“本物の姿” が観えるのだ
このとき、“あなたが世界の中にグッと入って、物と同じ空間に入ったような感覚” に成る
そして、“なんともいえない活き活きとした、微笑んでしまうような物体” がそこに観えるのだ
それはまるで “生きているよう” に観えている
あなたは笑いながら思うだろう
これはいったい何なのだ?
ああ、これを「テレビのリモコン」と呼んでいたのだな
この「リモコン」と、名付ける前の、“生きているように観えている状態”
これが、“本来のあなたの眼差し” である