NO.16
「他」が誕生することで「あなた」が誕生する
「他」が居ないことには「あなた」は誕生しない
この両者は同時に誕生するのである
この「他」は「人や物だけ」には留まらない
もし「悩みごとや、嬉しいこと」があるのなら
これによっても「あなた」は誕生するのである
さて、この「対するもの」がいないと現れない「あなた」とは何だろうか?
唯一、「世界」に対峙することでのみ現れる、この「あなた」である
「世界」に対して「意味づけをしている」「価値判断を下している」、この「あなた」
この「あなた」は「あなたの身体」ではないのは判るだろう
そう、この「あなた」は、あなたが「『あなた』だと思い込んでいるもの」である
つまり、この「あなた」は『あなたというイメージ』なのである
たった一人だけ、“現物” ではない、そこに起きた「イメージ」
これが、この「あなた」の正体なのである
これは「子供のころに躾けられたもの」
「学校で教えられたもの」
「テレビ、雑誌で見て知ったこと」
「あなたの経験から学んだこと」などから出来ているものである
つまり、これらは、全て「過去(記憶)」なのである
この「記憶」である、古い止まったままの「あなた」が
目の前の “活きている生=世界” に対して、いつも文句を言っているのだ
このどちらが “正解” なのかは明らかである
さて、何が言いたいのかというと
本当は、“見えているもの(世界)しか”、そこにはないということである
「あなた」なんか居ないということである
あなたの “首から下の身体” も見えているから、“他” だ
つまり、“観えている世界(他)” しか無く
それが、“あなた” なのである
“いま、起こっている出来事” の方が、“あなた” なのである
これに気付いて、これを体験できたとき
あなたは妙な雰囲気を掴みとる
「あなた」が消えて、“あなたが世界そのもの” に成るのだ
目の前に世界がグッと迫ってきて
“活き活きと脈動しているような視界” に成る
そして、あなたは “この世界がわたしだった” と理解するのである