「あなた」が何もしないとき未知がひらく

鼻先のニンジン

NO.119

あなたの顔の前にはニンジンがぶら下がっている

あなたはそのニンジンが欲しくて欲しくてたまらない

それを求めて取ろうとする

だが、それは永遠に取れないのである

そのニンジンはあなたと共に移動する

だから、永遠に取れないようになっている

「馬の鼻先に人参」とは上手い表現である

あなたは、まさにその状態におかれている

目の前にぶらさがっているニンジンとは「未来(欲望)」のことである

その「未来(欲望)」には、ここからは何もすることが出来ない

「実態」が無いからだ

だが、あなたは「それを追い求めることだけ」にエネルギーを費やしている

滑稽だね

“ここに在るもの” を観ようともせず

「存在しない未来」ばかりを追いかけている

  

さて、この状態を脱するには

「その滑稽な様子」に気付いて

“ここ” にフォーカスを戻すことである

すると直ちに「ニンジン」は消えてしまう

そこは “今だけ” となる

このとき、そこに “あなたの世界” が開いているのだ

あなたはそこに “活き活きとした世界” を感じとるだろう

そこにはもう「ニンジン」は無い

あなたは「何もの」にも釣られることはない

そして、そこで “今と共に躍動する” のだ